特許というのは強力な知的財産である。著作権だとどこまでコピーしたら著作権侵害になるのか良くわからないけど、特許の場合は保護される範囲が明確に記されている。特許を取るのにはけっこうお金がかかるが、もしその特許を利用してある程度お金を稼ぐことができるなら特許を取っておく価値はあると思う。

そんなわけで特許を取ろうと考えているのだけれど、シンガポールで特許を取ったところでマーケットが小さいのであまり意味はない。日本とかアメリカとかで取りたい。そこでまずは日本で出願しようと準備を進めている。

しかしシンガポールの特許法の第34条で、シンガポールに居住する者は書面による許可なく外国に特許を出願してはならない、と決められているのである。こういう法律は別にシンガポール特有のものではなく、いろんな国にあるらしい。基本的には軍事機密となりうる情報が国外に漏れるのを防ぐためらしいので、申請さえすれば簡単に許可がおりる。申請の仕方はここに書いてあった。申請書をダウンロードして記入し、特許の要約を英語で書いて、IPOSに提出するだけである。

提出の方法は郵送か直接IPOSのカウンターまで持っていくか選べるのだが、初めてのことで書類に不備があるといけないのでカウンターまで持っていくことにした。

IPOSは普通のビジネスビルのひとつのフロアにあって、ビルに入っても本当にそこにIPOSにあるのかよくわからなかった。入口のすぐ先にはセキュリティーがあり、その先にエレベーターがあったので、まずセキュリティの人にここにIPOSがあるか確認。4階にあるということだったので、自分のIDカードを渡してビジター用のパスをもらい、エレベーターにのってIPOSカウンターのある4階へ。

しかし、4階には全然人気がない。良く探してみると、IPOSカウンターは1階に移動しましたという張り紙が。申請方法の説明のページにも4階のカウンターって書いてあったのに・・・

1階に戻り、すぐに戻って来たことをちょっとはずかしく感じながら、セキュリティーのお姉さんにビジター用のパスを返し、はずかしさを誤魔化すために1階のIPOSがどこにあるのか聞いてしまった。別に聞かなくても探せたと思うけど。

そんなこんながありながら、無事IPOSカウンターまでたどり着いて、パートのおばちゃんっぽい人に書類を渡してみた。そしたらこんな書類見たことがないと呟きながら、近くにいた同僚のお兄さんに聞いていた。あんまり申請する人はいないのだろうか? そのお兄さんは書類を見てすぐわかったようで、バーコードみたいなのをピッと通して、これで良いですよと言ってくれた。

これであっけなく(?)書類の提出が終わったのだが、結果が出るのもあっけなかった。申請の書類には通知の方法を選択する欄があり、僕はEメールでの通知を選択していたのだが、2日後には申請が許可され、スキャンされた許可証がメールで送られてきた。めでたしめでたし。

というわけで、シンガポールに住んでいて、国外に特許を出願する予定の方はお気をつけください。申請はあっけなく終わって費用もかかりません。罰則は5000ドル以下の罰金もしくは2年以下の懲役もしくはその両方、ということなので結構重い罪になります。もう既に出願しちゃったよ! という方は自己申告すると2000ドル以下の罰金で済むと申請方法の説明のページの下の方に書いてありました。ちなみに、2ヶ月以上前にシンガポール国内で特許を出願していて、特に何も言われていなければわざわざ許可を得る必要はないようです。

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