シンガポールは法人税が安い。
税率はちょくちょく変わるみたいだけど、今は17%。詳しいことはIRASのページを見るといい。
しかも設立3年以内の会社なら、最初の10万ドルは無税で、次の20万ドルも半分控除されるので、30万ドル稼いだ場合は8.5%x20万ドル=1.7万ドルの税金、つまり実質5.7%の税金しかかからない。
というわけで、シンガポールで会社を設立すると税金を安く抑えることができるのだけど、別にそれが理由でシンガポールに会社を設立したわけではなく、たまたま何かしようと思ったときにシンガポールに居ただけであった。日本だったら個人事業主として開業して、ある程度収入が見込めたところで法人化すれば良いけど、シンガポールでは僕は外国人。勝手に商売をするわけにはいかない。
シンガポールで個人事業主としてビジネスを登録できるのはシンガポール人か永住権を持っている人だけ。僕は永住権を持っていないのでダメである。それに永住権を持っていないのでシンガポールに滞在してビジネスをするにはちゃんと就労許可を得る必要があって、それには起業家としてEntrePassを取得するか、会社を設立してその会社の従業員としてEmploymentPassを取得するかの2択となる。
でもEntrePassはいろいろ条件がついていて難しそう。更新の際にも一定の基準がある。基本的にはシンガポール人を雇用して、ある程度シンガポールに金を落とさないといけない。なので本当に起業家としてこっちで人を雇ってビジネスするような人じゃないと厳しい。僕みたいに自分が技術者で、まずは自分だけで何かやってみようなんて考えてる人には向かない。
というわけで、会社を設立してEmploymentPass(EP)を取得することにしたのだが、シンガポールではEPを取るのも年々難しくなっている。それに、設立したばかりの会社で30%以上の株主がEPを取ろうとすると、上のEntrePassを取るように勧められるという話もネット上に転がっていた。会社の設立だけならそれほど難しくはなさそうなのだが、EPの取得には不安があったので代行会社に頼むことにした。
代行会社にはローカルの会社も日本人による日本人向けの会社もある。上にも述べたように、シンガポールは税金が安いので、シンガポールで起業しようという人は多いようだ。料金はローカルの会社の方が圧倒的に安い(半額くらい)なのだが、EPの取得が不安で色々やりとりをすることを考えて、安心できる日本人向けの会社を選んだ。調べてみると、そういう日本人向けの会社もいくつかあるのだけど、そのうちの一つはEntrePassじゃないと取れないみたいなことがブログに書いてあったので避けた。そして金さえあれば(資本金が十分あれば)EPが取れるというような説明のあったところにアポを取って話を聞いてみた。
そしたら「大丈夫ですよ! うちは実績がありますから。いままで全てのお客様がEPの取得に成功しています!」ということだったので、そこにお願いして会社を設立することに。
会社の設立にはいくつか条件がある。
- シンガポールに居住している役員が1名以上いること。
- 会社秘書がいること。(役員が2名以上なら、1人が兼任できる)
- シンガポールにオフィスの住所があること。(コンドミニアムとか居住用の住所は基本的に使えない)
1. は自分も居住しているから良さそうなものだが、他の会社からEPを発行してもらっている人が別の会社の役員になることには問題があるそうなので、知人のPRを持っている人にお願いした。代行会社でも一時的な役員をつけてくれて、EPを取得したら自分が役員になる、という方法もあるのだが、お願いした代行会社ではその料金に3oooドルかかったのでやめた。ちなみにローカルの代行会社だったらこの料金は500ドルくらいですむので、かなりのプレミアム料金である。
2. の会社秘書は代行会社経由で専門の会社にお願いすることに。費用は年間1200ドルくらい。ローカルの会社だったら700〜900ドルくらいが相場のようである。
3. は代行会社でもシェアオフィスを扱っていたのだけど、ひと月600ドルということだったのでパス。他に探してみたら、住所だけ貸すバーチャルオフィスというのがいくつか見つかった。これだとひと月10ドル程度。費用を考えれば断然こっちである。ちゃんとしたオフィスじゃないとEPが剥奪される可能性もあるということだったけど、月600ドルも払う余裕はないので、とりあえず政府に文句を言われるまではバーチャルオフィスを使うことにした。
これで、会社の設立はすんなり済んだ。ACRAのサイトに行けば弊社の情報も確認できるはず。
次に銀行口座を開設して、資本金を振り込んで、EPを申請することになるが、長くなったので続きは別の機会に。
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