だいぶ今更な話ですが、VaporFly Next% を先日のシンガポールマラソンで履いてみたのでレビューを書いてみたいと思います。
このシューズ、7月の発売日に買ったんですが、マラソンまで温存していて、レースでいきなり履くのも少し不安だったので、練習用に Zoom Fly 3を買って履いてみたので、そちらも合わせてレポートです。
今シーズンのVaporFlyとZoom Flyはフォアフット部分のミッドソールが厚くなって、より厚底なシューズになったそうなんですが、気になるのは重さです。僕のサイズの26.0cmでの重さは
VaporFly (グリーンのやつ) が178gと前作のFlyknitのやつより2g軽くなっています!一方でZoom Fly (オレンジ) の方は240gと前作よりも10g重くなりました。
Zoom Flyはミッドソールにリアクトフォームを使っているので、厚底になった分重くなってしまいましたね。ここまで重くなるともはやレース用ではなく完全に練習用と割り切って使うしかないでしょう。
VaporFlyの方は軽いZoomXフォームを使っているので、それほど重さには影響せず、他のところで軽量化を頑張っているのか、むしろ軽くなりました。これは嬉しいですね。どこで頑張っているのかというとアッパーのようです。
靴の中に手を入れてみると、手が透けて見えます。
かなりえげつない軽量化ですが、通気性もよくなるし、水を吸って重くなってしまう心配もありません。これは汗っかきの僕にとってはすごく嬉しい。
Zoom Flyのアッパーはこんな感じです。
2重構造になっていて手も透けません。やはり練習用と言うことで耐久性が重視された結果なんでしょう。
さて、使ってみた感想ですが、まずはZoom Flyの方。マラソン前の2ヶ月間は16kmのペース走を多くやっていて、前作のZoom Fly Flyknitをずっと使ってたんですが、Zoom Fly 3に変えてみたところ、1kmあたりのペースが10秒近く速くなりました(4:40/kmが4:30/kmくらい)。反発力が増したんでしょうか?重くなったにもかかわらず、より速く走れました。まあ、400km近く走ったシューズと新品のシューズを比較しているので、単純に機能が向上したとは言い難いですが。
また、フォアフット部分の幅が広がったので、着地の安定感が増したような気がします。重くなったので前作のFlyknitの方を好む人もいるみたいですが、全体的にみると僕はZoom Fly 3の方がいいんじゃないかな(特に練習用としては)と思いました。
VaporFly Next% はシンガポールマラソンでぶっつけ本番で使ってみました。やっぱり新品の方が反発力が落ちずに速く走れるんじゃないかなと思って。ナイキの厚底シューズは履き慣れてしまったので、特別感動するようなことはなかったんですが、相変わらずとても快適に走れました。ひとつ気になったのは、爪先部分が広くなったせいか、走っていて指先に負荷がかかる感じがして、ほんの少し痛みを感じることがありました。かと言って爪が黒くなったり(もうすでにボロボロではあるんですが)、血豆ができたりと言うことはなく、なんのトラブルもなく走れています。
ただ、去年に比べると30kmから40kmにかけてのペースの落ち込みが大きかったです。これはシューズの影響というよりもコンディションがイマイチだったせいだとは思うんですが。。。一方で、最後の1kmでのラストスパートでは自分でも信じられないくらい足が動いて4:00/km以上のスピードで走れました。去年は頑張っても全然スピードが出なかったのに驚きです。これが、シューズの影響なのか30-40kmにかけてペースを落とした影響なのかはハッキリしないわけですが、ひとつだけ確かなことは、4:00/kmで走った時に今までにない反発を感じたことです。
それは、カーボンプレートによる反発というよりは厚くなったZoomXフォームによる反発と思えるようなソフトな感触の反発で、足が弾むように動いてくれました。正直、フォアフット部分のフォームが厚くなったと聞いて、カーボンプレートによる反発が弱まってしまうんじゃないかと心配していたんですが、むしろ逆に2つが相まって反発力が向上したようです。
最後のゴール前なんかは他の人と競り合ったというのもあって、3:00/kmで走ってました。とても42km走った後とは思えないくらいの快走です。VaporFly Next%でなかったら間違いなくこんな走りはできなかったと思います。
ただ、これだけの反発を感じるのはしっかりフォアフットで地面を蹴って走った時で、今の僕の実力ではその走りでフルマラソンを走ることはできません。きっと、僕よりもっと走力のある人にとってはNext%の進化はすごく大きく感じられるんじゃないかと思います。サブスリーで走れるような人はぜひNext%を試してみてください。