最大心拍数を計ってみた

(注意: 最大心拍数を計るのは心臓に負荷がかかるので、まだ激しい運動に慣れてない方はくれぐれもマネしないようにしてください)

自分の最大心拍数を知ることはトレーニングでの運動強度を知る上でかかせないものですが、自分の最大心拍数を計るのって難しいですよね。それでよく年齢を元にした公式が使われるのですが、最大心拍数は個人差が大きく、あまりあてにならないようです。

英語版のウィキペディア(Heart rate)には最大心拍数を計算する公式がいくつも載っています。それだけ年齢と最大心拍数の関係はあやふやで、個人個人のバラツキが大きいのでしょう。これらの公式を使うと、現在44歳の僕の最大心拍数はだいたい180bpm前後になりますが、公式によって差があるし、あくまでも個人差を平均化したものなので、ちゃんと計れるものなら計りたいところです。

最近では心拍計つきの腕時計が増えてきたので、心拍数を計ることは簡単になりました。でも、腕時計型の光学式心拍計も運動強度が激しくなると誤差が出てくるそうです。僕がGarmin Forerunner 35を買ったお店のお兄さんが言ってたんですが、Garminの心拍計は高強度インターバルトレーニング時の精度は91%で、SUUNTOなら95%、だそうです。どこ情報か知りませんが、そのお兄さんはSUUNTOの腕時計をしてました。

エプソンのサイトを見てみても、仕組上誤差は避けられないようです。

なので、最大心拍数を計るのであれば、胸につける心拍ベルトを使うとか、左右両方の腕に心拍計をつけるとかした方がいいかもしれません。でもわざわざ心拍ベルトや腕時計をもう1個買うのもバカらしいので、少しきつめにバンドを締めて計測してみたいと思います。

Jack Daniels博士によれば、2分間の坂ダッシュを何本か走るのが一番簡単なんだそうですが、2分間走りつづけられる坂道なんてそうそうないですよね。その場合は800m走でもいいようです。

運動強度については詳しく書いてなかったんですが、VO2maxのペースならいいんだと思います。となるといつものインターバル走でいいわけですが、念のため、ちょっときつめのペースで走ってみました。レストは400mのジョグ(約3分)です。

まず、体がしっかり酸素を取り込めるように、いつもより長めに10分以上ウォーミングアップ。そして、いつものインターバル走なら800mを3:16で走るのが理想なんですが、ちょっときつめにを3:10で走るのを目標にしておきます(「色々なランニングのペースとそのトレーニング効果」参照)。

ただ、いきなり1本目で最大心拍数に到達することはまずないので、1本目で飛し過ぎちゃうとバテてしまって最大心拍数まで届かなくなるかもしれません。なので、最初は控え目に、力を抜いて走りました。

6本走った結果がこちらです(グラフで前半にペースのピークが2本あるのはウォーミングアップ中の流し)。

タイム 心拍数
1本目 3:12 170
2本目 3:12 172
3本目 3:09 177
4本目 3:07 181
5本目 3:07 179
6本目 3:09 171


4本目では後半もスピードを維持できているためか、しっかり心拍数があがって最高値を出すことができました。でもグラフをよく見てみると、色々不思議なところがあります。

まず1本目が終わったあと、心拍数が全然下がっていません。調べてみると、ピッチ(Run Cadence)と心拍数が同じ値(166)です。

どうも腕の振りと心拍計がシンクロしてしまったようです。それを考えると、4本目で181bpmが出たのもピッチ(182spm)に近いので、もしかしたら誤差の影響があるかもしれません。

周辺にもギザギザが見られるので、誤差が出ている可能性は高いと思います。ただ、グラフの山の形を見ると、そこまで大きな誤差はなく、180bpmは出ていたと考えてよさそうです。

5本目の最後は急に心拍数が下がっています。

こんなの、僕の心臓に異常があるか、心拍計に異常があるかのどちらかです。できれば後者であって欲しいところ。

6本目も後半で心拍数が上がっていません。

心拍計が正しく心拍数を測定できなかったと考えるのが自然でしょう。後半になるとだいぶ汗をかいているので、腕時計がずれやすくなっていたかもしれません。

こうやって見てみると、やはり腕時計型の光学式心拍計は誤差というか、ちゃんと心拍数を計れていないときが多いようです。でもまあ、この計測結果から僕の最大心拍数は180と言えそうです。

しかし、過去のデータを見てみると心拍数が180を越えてるときがけっこうあります。最大で200越えちゃってます。これも心拍計の誤差だと思いますが、詳しく見てみることにします。

まずはこちら。400mのインターバル走をしたときのデータですが、つなぎのジョグの間に心拍数が207bpmに上がっています。同じようなタイミングで心拍数が上がっているのが2箇所あるので、もしかしたら自分の心臓に異常があるのではないかと当時心配してたんですが、まだ生きているので、たぶん心拍計の異常だったんだと思います。

次は800mのインターバル走のデータなんですが、心拍数が187bpmを記録しています。でもグラフを見るとけっこうギザギザしていて、187bpmになったのはほんの一瞬です。こういう風にグラフがギザギザしているところはあまり当てにしないほうがいいでしょう。全体的な山を見るとやはり180bpmがいいところです。

最後はone-north Runのときのデータです。後半7km過ぎの上り坂のところで189bpmにまで上がりました。

10kmのレースでここまで心拍数が上がるのは考えにくいですが、これまでのデータとは違い、きれいな山の形をしていて、誤差ではないような気もします。この少し後の34分くらいのところにももう一つ山があって、そこでも180後半まで上がっているんですが、ここも上り坂でした。どうもこのとき心拍数は正しいんじゃないかと思っています。

実際、189bpmを出しているのは、上り坂で背の高い白人男性に追い抜かれて頑張ってついていこうとしていたところで、その後かなりバテたので、心拍数が上がっていてもおかしくありません。

Jack Daniels博士の言うように、上り坂を走った方が最大心拍数を計りやすいのでしょうか? そう思って後日上り坂で同じように心拍数を計ってみたんですが、思うように心拍数が上がりませんでした。

運動強度の限界は心臓や筋肉によって決まるのではなく、”central governor”が脳に存在して、心臓が酸欠になってダメージを受ないようにcentral governorが運動に制限をかけているという理論があります(英語版ウィキペディア参照)。

レースのときは、興奮していた上に、必死に他のランナーに食らい付いていたことで、central governorによるリミットが外れてしまい、普段出せない力を出せてしまったのかもしれません。

そういえば、SIA Charity Runのときも心拍数が180を越えていました。このときはグラフがギザギザしていたので、誤差もあったと思いますが、僕はレースのときは興奮して心拍数があがるようです。

まあ、これは特殊な事情だったということで、僕の最大心拍数は年齢相応の180bpmという結論にしておきます。

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