Nike Air Zoom Tempo Next%

COVID-19 の影響でしばらくはレース用のシューズを買う必要がなくなった昨今、新しい練習用のナイキの厚底シューズが発売されました。その名も Nike Air Zoom Tempo Next%。

見た目から分かるように、レース用シューズの Nike Air Zoom Alphafly Next% の練習用バージョンで、Zoom Fly の後継シューズです。今世代の特徴はフォアフット部にでっかい Air Zoom Pod がついていて、そのため、名前にも Air がついてます。

Zoom Fly 3 ではミッドソールの素材にリアクトフォームが使われていましたが、この Tempo Next% では、なんと ZoomX フォームがフォアフット部分に使われています(ヒール部分はリアクトフォーム)。個人的にリアクトフォームのグニャッとした感触は好きではなく、ZoomX フォームのマシュマロのような軽い感触がすごく気持ち良かったので、この Tempo Next% は期待大です。

また、海外のとあるレビューサイトによれば、ペガサスターボは今後廃止され、Tempo Next% に置き換わるという話です。元々ペガサスターボはキプチョゲ選手の ZoomX フォームの練習用シューズが欲しいという要望で開発されたみたいなので、ペガサスターボはもう必要なくなったのかもしれません。私はペガサスターボは未体験ですが、一度は履いてみたいと思っていたので、アウトレットなどで安くなってるのを見つけたら迷わず購入しておきたいと思います。

さて、気になるシューズの重さですが、26cm で両足とも 254g でした。Zoom Fly 3 が 240g だったので、14g も重くなってしまいました。ZoomX フォームで軽量化されているはずですが、フォームの量が増えたせいでしょうか。

アッパーは FlyKnit ですが、2世代前の時の FlyKnit よりもザラザラしていて、伸縮性があまりなくなっています。そのため足を入れるのが大変。かかとの部分にストラップがついているので、そこを引っ張ってようやく足が入る感じです。サイズ感もちょっと小さめで、他の 26cm のシューズと比べるとキツく感じます。また、FlyKnitの網目が粗いためか、靴下が透けて見えます。その分、前の FlyKnit に比べると大分通気性が良くなった気がします。

果たして Air Pod と ZoomX が組み合わさった、今期の厚底シューズの実力はいかほどか。期待に胸膨らませて試走に行ってきました。名前の通りに、10km ほどのテンポ走です。

最初はアップとして軽くジョギングしたんですが、Air Pod が硬い。弾む感じもなく、ジョギング程度ではちょっと走りにくい感じです。スピードを上げて 4:30/km のペースで走れば、かなり反発が感じられて楽にスピードを出せました。でも、なんか足音が変な感じ。バコッ、バコッという音がして、ちょっとうるさいです。個人的にはフォアフットで走ると足のバネで着地の衝撃を吸収するので、足音が静かでスタッスタッと走る感じが好きなんですが、この音ではそれも台無しです。確かに Vaporfly の ZoomX はパコッっていうような音がしたんですが、そんなに大きな音でもなく気にならなかったんですが、この Tempo Next% では Air Pod のせいなのか、大きな音がしてしまいます。

また、反発は大きいものの、ZoomX フォームの気持ちよさは感じられず、Air Pod のちょっと硬い感じの反発が強い気がします。まあ、フォアフット部にあれだけ大きい Air Pod が装着されていれば当然でしょう。ZoomX は単に空いているスペースを埋めるためにできるだけ軽い素材を選んだという程度の役割しかないようにすら思えます。

とは言っても、Zoom Fly を履いている時なら、4:45/km くらいかなという運動強度で走って、4:30/km を切るようなペースで走れたので、走りやすいシューズということは間違いありません。楽にスピードを出すことができたので、次またこのシューズを履いて走るのが楽しみというのが正直な感想です。

それなら、Tempo Next% は買うべきか? と聞かれたら…、答えは No かな。今期 Alphafly を履いてレースに出るという人なら Tempo Next% を買って練習するというのは当然アリですが、Zoom Fly もしくはペガサスターボからの乗り換えを考えているなら、あまりオススメはできません。やはり足音が気になるし、Air Pod が硬くて用途が限られてしまうので、わざわざ値段の高いこのシューズを選ぶ必要はないと思います。次の世代の厚底シューズが出るまで Zoom Fly を使う方がコスパも良いのでオススメです。

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